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看護師転職で失敗しないための5つのポイント

2025年3月15日公開

看護師転職のイメージ

はじめに:看護師の転職市場と現状

看護師は慢性的な人材不足が続く医療業界において、常に高い需要がある職種です。厚生労働省の調査によると、2025年には約12万人の看護師が不足すると予測されており、転職市場は売り手市場の状態が続いています。

しかし、求人数が多いからといって、転職が必ず成功するとは限りません。実際に、看護師の約30%が転職後1年以内に「思っていた職場と違った」と感じ、そのうち約15%が再転職を検討しているというデータもあります。

本記事では、看護師として長年のキャリアを持つ筆者が、転職エージェントでの勤務経験も踏まえ、看護師転職で失敗しないための5つの重要なポイントを解説します。これから転職を考えている看護師の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 看護師転職で多い失敗パターンとその回避方法
  • 転職前に必ず確認すべき職場環境のチェックポイント
  • 転職エージェントを効果的に活用るコツ
  • 面接で聞くべき質問と回答の見極め方
  • 転職後のミスマッチを防ぐための準備と心構え

ポイント1:給与だけで判断しない - 職場環境と労働条件の総合評価

看護師の転職理由として最も多いのが「給与・待遇の向上」です。確かに年収アップは重要な目標ですが、給与額だけで判断すると思わぬ落とし穴にはまることがあります。

高給与の裏に隠れた実態を見抜く

一般的に、給与が高い職場には理由があります。例えば、夜勤回数が多い、残業が常態化している、人手不足で業務負担が大きい、などの可能性があります。求人票に記載されている給与額は、夜勤手当や残業代を含んだ「想定年収」であることも少なくありません。

確認すべきポイント

  • 基本給と各種手当の内訳
  • 夜勤回数と夜勤手当の金額
  • 残業の実態と残業代の支給状況
  • 賞与の実績(過去3年分)
  • 昇給制度の有無と実績

例えば、基本給が低く夜勤手当で総支給額を高く見せている場合、将来的にライフステージが変わって夜勤ができなくなると、大幅な収入減になる可能性があります。また、残業代が出ない「みなし残業」制度を採用している職場では、実質的な時給が低くなることも。

職場環境と給与のバランスを考える

給与と同様に重要なのが、職場環境です。人間関係、教育体制、休暇取得のしやすさ、業務内容など、日々の働きやすさに直結する要素を総合的に評価しましょう。

例えば、給与が現職より10万円上がっても、有給休暇が取れない、持ち帰り仕事が多い、人間関係が悪いといった環境では、長期的には心身の健康を損なう可能性があります。その結果、再転職を余儀なくされれば、キャリアの中断やさらなるストレスにつながります。

事例:Aさん(30代女性)の場合

大学病院から年収100万円アップをうたう中規模病院に転職。しかし実際は夜勤が月10回以上、常に人手不足で休憩も取れない状況だった。結果的に体調を崩し、8ヶ月で退職。その後、給与は少し下がるが、ワークライフバランスの取れるクリニックに転職し満足している。

ポイント2:病院の評判や口コミを鵜呑みにしない - 自分の目で確かめる重要性

インターネット上の口コミサイトや評判は参考になりますが、それだけで判断するのは危険です。口コミは主観的で、極端な意見が目立ちやすいという特性があります。

口コミの限界を理解する

口コミサイトに投稿するのは、「非常に満足している人」か「非常に不満を持っている人」が多い傾向があります。中間的な評価をする人は投稿しないことが多く、結果として評判が二極化しやすくなります。また、口コミは投稿時点の状況を反映しているため、管理者の交代や制度変更などで職場環境が大きく変わっている可能性もあります。

自分の目で確かめるための方法

可能であれば、面接当日に職場見学をリクエストしましょう。実際の職場の雰囲気、スタッフの表情、患者さんとの関わり方などを観察することで、口コミでは分からない実態が見えてきます。

職場見学でチェックすべきポイント

  • スタッフ同士のコミュニケーションの様子
  • ナースステーションの整理整頓状況
  • 患者さんへの対応の仕方
  • 休憩を取っているスタッフがいるか
  • 医師と看護師の関係性

また、可能であれば現職や元職員から直接話を聞くことも有効です。転職エージェントに「その病院の退職理由で多いものは何か」を質問したり、看護師のコミュニティで情報収集したりすることも検討しましょう。

事例:Bさん(20代女性)の場合

口コミサイトで「教育体制が整っている」と評判だった総合病院に転職。しかし実際は、教育担当者が退職した後で、新人教育はほぼ放置状態だった。事前に職場見学をしていれば、先輩看護師が新人に対して丁寧に指導している様子がないことに気づけたかもしれない。

ポイント3:転職エージェントを賢く活用する - 複数のエージェントを比較する重要性

看護師の転職では、専門エージェントの活用が一般的です。しかし、一つのエージェントだけに頼ると、視野が狭くなる可能性があります。複数のージェントを利用して比較検討することで、より多くの選択肢と情報を得ることができます。

エージェントによる違いを理解する

看護師転職エージェントには、それぞれ得意分野や保有している求人の特徴があります。例えば、大手病院との太いパイプを持つエージェント、クリニックや訪問看護の求人強いエージェント、地方の求人に強いエージェントなど、特色は様々です。

大手エージェンの特徴

  • 求人数が多い
  • 大手病院との取引が多い
  • 全国対応が可能
  • 担当者の質にばらつきがある

専門特化型エージェントの特徴

  • 特定分野の求人に強い
  • 非公開求人が多い
  • 担当者の専門知識が豊富
  • 求人数は比較的少ない

エージェントを最大限活用するコツ

転職エージェントは単なる求人紹介サービスではありません。業界情報、面接対策、条件交渉など、様々なサポートを受けられます。特に以下のポイントを意識して活用しましょう。

エージェント活用のポイント

  • 自分の希望条件を明確に伝える
  • 病院の内部情報(離職率、残業実態など)を積極的に質問する
  • 面接対策や履歴書添削を依頼する
  • 給与交渉を代行してもらう
  • 複数の求人を比較検討する

また、エージェントとの相性も重要です。担当者が自分の希望を理解してくれない、連絡が遅い、押し付けがましいなどの問題がある場合は、担当変更を依頼するか、別のエージェントも並行して利用することを検討しましょう。

おすすめの看護師転職エージェント

当サイトで比較検討した結果、以下のエージェントがおすすめです:

  • ナースではたらこ:求人数約9万件、24時間サポート、地方クリニックにも強い
  • マイナビ看護師:大手病院の求人が豊富、キャリアアドバイザーの質が高い
  • 看護roo!:非公開求人が多い、地域密着型のサポート

ポイント4:面接では質問する側になる - 採用後のミスマッチを防ぐために

面接は病院側があなたを評価する場であると同時に、あなたが病院を評価する重要な機会です。看護師は人材不足の職種であり、あなたにも選ぶ権利があることを忘れないでください。積極的に質問して、職場の実態を把握しましょう。

面接で必ず確認すべき質問リスト

以下の質問は、表面的な回答ではなく、具体的なエピソードや数字で答えてもらうことが重要です。曖昧な回答や質問をはぐらかす様子があれば、注意が必要です。

面接での質問例

  • 直近1年間の離職率はどのくらいですか?
  • 残業は月平均どのくらいありますか?
  • 有給休暇の取得率はどのくらいですか?
  • 新人教育の具体的な体制を教えてください
  • 夜勤の体制と人数配置を教えてください
  • 看護師と医師の関係性はどうですか?
  • 病棟の平均年齢や経験年数の構成を教えてください

回答の見極め方

質問への回答だけでなく、回答する際の表情や態度も重要な判断材料です。質問に対して正直に答えてくれる病院は、透明性が高く、働きやすい環境である可能性が高いと言えます。

例えば、「離職率は業界平均より低いです」という抽象的な回答ではなく、「昨年は20名中2名の退職で離職率10%でした。理由は結婚と転居です」といった具体的な回答があれば信頼性が高いと言えます。

事例:Cさん(40代女性)の場合

面接で「有給休暇は取れますか?」と質問したところ、「もちろん取れますよ」との回答。しかし「具体的な取得率は?」と掘り下げると曖昧な返答だった。入職後、実際は年間5日程度しか取得できない状況と判明。事前に具体的な数字で確認していれば防げたミスマッチだった。

ポイント5:自分のキャリアビジョンを明確にする - 長期的な視点での転職判断

転職は単に「今の職場を変える」だけでなく、自分のキャリアを構築する重要なステップです。目先の条件だけでなく、5年後、10年後のキャリアビジョンを見据えた判断が重要です。

キャリアビジョンの描き方

まずは自己分析から始めましょう。自分の強み、弱み、価値観、興味・関心を整理し、どのような看護師になりたいのかを具体的にイメージします。

キャリアビジョン設計のポイント

  • 自分が大切にしたい看護の価値観は何か
  • どの分野でスキルを深めたいか(急性期、慢性期、在宅など)
  • 将来取得したい資格や専門性はあるか
  • ワークライフバランスをどう考えるか
  • 管理職を目指すか、専門職を極めるか

転職先がキャリアビジョンに合致するか確認する

転職先を検討する際は、そこでの経験やスキルが自分のキャリアビジョンにどう貢献するかを考えましょう。例えば、専門看護師を目指すなら、その分野の症例が豊富な病院や、資格取得支援制度がある病院が望ましいでしょう。

また、転職を繰り返すことでキャリアが分断されるリスクも考慮する必要があります。特定の分野で経験を積み重ねることで専門性が高まりますが、頻繁に異なる分野に転職すると、スキルの蓄積が難しくなる場合があります。

事例:Dさん(30代女性)の場合

将来的に訪問看護師として独立することを目標に、まず急性期病院で5年経験を積み、その後訪問看護ステーションに転職。計画的なキャリア構築により、現在は管理者として活躍している。明確なビジョンがあったからこそ、転職を成功させることができた。

まとめ:看護師転職を成功させるための5つのポイント

看護師の転職は、慎重に計画し、十分な情報収集を行うことで成功確率が大きく高まります。本記事で解説した5つのポイントを実践することで、後悔のない転職を実現しましょう。

看護師転職成功のための5つのポイント

  1. 給与だけで判断しない - 職場環境と労働条件を総合的に評価する
  2. 病院の評判や口コミを鵜呑みにしない - 自分の目で確かめる
  3. 転職エージェントを賢く活用する - 複数のエージェントを比較検討する
  4. 面接では質問する側になる - 採用後のミスマッチを防ぐ
  5. 自分のキャリアビジョンを明確にする - 長期的な視点で転職を判断する

転職は人生の大きな決断です。焦らず、十分な準備と情報収集を行い、自分にとって最適な環境を見つけてください。本記事が、あなたの転職成功の一助となれば幸いです。

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